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月詠蒼の管理するブログでっす。 たまに見事なネガティヴスパイラルに陥るのでどうか生温かい目で見守ってやってください。
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明日バイトの面接に行ってきます。
学生証と履歴書に貼る写真が見当たらない……orz
怖いなぁ……
でも決まったら給料でペンタブとPSPとパソコンとKAITOを買います。
優先順位はまずペンタブですね。
それとヘタリアのDVDが欲しいです。
ロディとギルがいるなんて天国だと。←

















カツーン

カツーン

カツーン




足音を消そうと心がけてみても、この地下ではそんなことは
無意味だとばかりに響いてしまう。

これは、兄様の作られた仕掛けのせいだ。

もし侵入者がいてもすぐに気付けるようにと、兄様自らが設計したのである。

かび臭いにおいを胸に溜め込みながら、
じめじめとした薄暗い通路を歩いていく。

ふと、通路の奥から明かりが漏れていることに
気付いた。

兄様は用心深い方だから、普段は扉を閉めきっている。
だから開いているなんてあり得ないはずなのに。
足速に明かりの漏れている部屋まで歩いていく。
カツンカツンと静かな地下に私の足音が響き渡るけれど、
そもそも消そうとする必要がない。

扉を開いてみると、煙が流れ込んできて、
次いで甘ったるいにおいが鼻腔をくすぐった。
兄様の使われる薬品のにおいだ。

「兄様……?そこに居られるのですか?」

部屋の中は簡単な造りになっていて、コンクリートが剥き出しの小さな、
言ってしまえば牢獄とも言える質素な部屋だ。
兄様はその部屋に、仕事に使う道具とそれなりに寝泊まりができる
生活用品を持ち込んで、仕事部屋として使用しているのだ。

小さく、それこそ耳を澄ましてようやく聞こえるような小さな、
ガタン、という音が、部屋の奥から聞こえた。

「兄様?」

本来なら兄様の許可なしには入っていけないのだが、
仕方ない。あり得ないと思うがもし部外者が入り込んでいたら
排除しなくてはいけない。

恐る恐る、しかし両手はいつでも武器を取り出せるように構えておく。
果たして、物音の正体は案の定兄様だった。

クリーム色ともいえる真白い髪を肩ギリギリまで伸ばして、
右目にはガーゼを使った眼帯、そしてキレイな、
青緑色の左目を薄く開いて戸棚にもたれるように座りこんでいる。
しかし、その視線は虚空を向いたままだ。

「……兄様、少々失礼します。」
言ってから軽く頬をぺしぺしと叩く。
暫くして、兄様は低く「あぁ…」とだけ言ってこちらを見た。

「水霞か……。どうしまシタ、こんなところまで来て。」

唯でさえ白い肌が青白い。
きっとまた寝ることを忘れて仕事に打ち込んでいたのだろう。
この人はそういう人だ。

「零崎の方がおみえです。
罪口子音に特別な注文がある、と。」

「特別、ネェ……。全く、最近は零崎一賊ばかり注文が多くてイヤですネ。
いや、お客様にケチつけるつもりはありまセンが……。」

「それだけ、兄様は好かれているのでしょう。」

「いやはや全く。人徳より腕の方を認めていただきたいものデスネ。」

ぶつぶつと呟きつつ兄様は地上へ出ようと立ち上がった。
少なくともそれだけの体力はあるということだ。

「水霞も、オイデ。仕事の仕方を教えてあげマス。」

「はい、兄様。」

私はすかさず兄様の後ろを着いていく。
あともう少し、この位置に居たいと、なぜだかそう思わずにはいられなかった。






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